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by a4232203

16年末に開発事業者公募/関東財務局の九段会館開発事業

【動的保存前提に一部高層化】
 二・二六事件で戒厳司令部が置かれるなど昭和史の舞台にもなった東京都千代田区にある「九段会館」の開発事業が、具体化に向けて動き出す。財務省関東財務局が設置した検討委員会は、歴史的価値などから設備の付加や一定の改変を許容する動的保存を前提に、建物の半分以上を保存・復原するとともに、一部を高層ビルに建て替える、保存・活用方針をまとめた。同局では、今後、同方針に基づき、保存・活用の実現に向けて、千代田区など関係機関と協議しながら事業スキームなどを固めていく。国有財産関東地方審議会の了承を得た上で、今年末にも開発事業者の公募手続きに入る考えだ。
 九段会館(千代田区九段南1-5-1ほか)は、建物の老朽化や東日本大震災で天井が落下するなど利用が困難なことから閉鎖。2014年の法改正で、国から土地を借り受けた民間事業者が土地の高度利用と都市機能の増進を目的に、新たな建物を建築することになった。また、法改正に当たり、「建物保存、外観の活用などの歴史継承」の付帯決議がなされたことから、有識者で構成する「九段会館及び同敷地に関する検討委員会」(委員長・伊藤滋早大特命教授)を1月に設置し、千代田区や運営主体の日本遺族会など関係者の意見を踏まえながら整備の方向性について検討してきた。
 報告書は、九段会館の北側部分について主要な内部空間を含めて保存し、全面道路に面した部分などを復原的整備容認範囲とするなど、建物の半分以上を残した上で、西側に高さ75m程度の高層ビルに建て替えるとする方針を示した。建て替えに当たっては、コンクリート造の建物と瓦葺きの勾配屋根を組み合わせた「帝冠様式」と呼ばれる昭和初期の代表的な建築様式の外観を始め、玄関ホールや階段などの保存も明示。また、市街地整備や都市景観の観点から、▽水辺の歩行者ネットワークの形成▽オープンスペースの確保▽樹木や石碑などの歴史的資源の活用▽周辺景観に調和するよう高さや形態、色彩などの配慮--を求めている。
 敷地面積は8855㎡。用途地域は商業地域(建ぺい率80%、容積率700%)。
 靖国通りの九段下交差点に至近の九段会館はSRC造地下1階地上4階建て塔屋1層延べ1万4777㎡の規模。当時の帝国在郷軍人会が昭和天皇の御大典を記念して「軍人会館」として建設。建造物の外観意匠を求めた競技設計(コンペ)の1等当選案(小野武雄)を基に、伊東忠太が監修、川元良一が実施設計し、清水組(現清水建設)の施工で、1934年3月に竣工した。戦後も連合国軍総司令部(GHQ)に使用されるなど、数々の歴史的な舞台となった。その後は、これまで日本遺族会が運営してきた。
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by a4232203 | 2016-06-07 18:26 | まちづくり関連 | Comments(0)